竹村真一さんプロフィール
100万人のキャンドルナイト呼びかけ人
京都造形芸術大学教授
(文化人類学者)
Earth Literacy Program代表
特別インタビュー 竹村真一先生
“100万人のキャンドルナイト”は、私も発起人の一人として2003年から始めた環境イベントで、初年度から若い世代を中心に想像をこえる反響がありました(環境省の推計では、全国で500万人、昨年は700万人が参加したと言われます)。
一年で最も「日」が長く、あるいは短くなる日に、キャンドルの「灯」でもう一つの時間を取りもどす。化石燃料や原子力に依存した「火の文明」を闇のなかで再考するもよし、家族や恋人との親密な時間を取り戻すもよし。いずれにしてもキャンドルの灯は、都市文明の過剰な明るさのなかで見えにくくなっている一人ひとりの「心の灯」を可視化する触媒にすぎません。
日本語では、こうした心の灯、ひとの魂(霊)も“ヒ”と呼んできました。眼にみえない“ヒ”が肉体を持って生まれてくる、それが男なら“ヒコ”、女の子なら“ヒメ”、あわせて“ヒト”・・。ちなみに「おむすび」
「結び」の“ムス・ヒ”とは、この“ヒ”(霊)の力をギューっと圧縮して増幅する営みをあらわしています。正月や盆など、太陽の「日」が極まる季節には、「灯」をともして先祖の「霊」をお迎えする、あるいはその化身としての「子ども」(ヒコ・ヒメ)が町を練り歩く。こうした日本古来の、かつ世界中にみられる“ヒ”の文化の現代的な再生として、キャンドルナイトはいつもどこかデジャヴのような懐かしさを感じさせます。単なる省エネ運動や一過性のロハス・ブームでなく、こうした人類文化の記憶の古層に触れるような骨太な活動として、キャンドルナイトを育てていきたいものです。
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